松浦悠子 Yuko　Matsuura

2014年金沢美術工芸大学美術工芸学部工芸科入学
2018年金沢美術工芸大学美術工芸学部工芸科卒業、
同大学大学院修士課程美術工芸研究科工芸専攻入学
現在、在学中

【Artist statement】
私は、漆を使ってものを作る。私は漆の「かたち」を変え、漆は私に扱われる。しかし、漆に触れたとき、私はかぶれる。かぶれた皮膚は赤くなり、ときには熱を持ち腫れ上がる。漆は私の「かたち」を変え、私は漆に扱われる。素材と自身の関係は、どちらかからの一方的なものではなく、互いに扱い、扱われるものである。そして、作品は形として最後に残ったものであり、おそらく私の目的はそこまでの過程にある。（松浦悠子）

【Gallery statement】
松浦悠子は漆を素材としながら自身の存在の空蝉ともいえる身体をモチーフに作品を制作しています。松浦が「漆は私に扱われる、私は漆に扱われる」と言うように、素材との対話というありがちな表現を越えて、漆のもつ属性を自我に同一化しており、漆を身体の延長線上に置き、変容した過程が作品化する様は身体性や精神性が具現化された現身と言うべきかもしれません。漆という素材が持つ力強さや美しさ、ままならなさ全てを内包しつつ、過程を提示し続ける試みをご高覧頂ければ幸いです。（ガレリアポンテ本山陽子）